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最近、COTEN RADIOで民主主義についてのトークを聞いて、民主主義オモシレーとなっています。

学校で学んだはずなのに当時の印象と全く異なるのは、深井さんや他のパーソナリティーが独自の意味付けをしてくれているからだと感じます。

個人的に面白かった学びとしては、民主主義自体がシステムではなく、思想・宗教の類であると認識できたところでした。

番組を聴くと、民主主義が単なる「思想や宗教」として揶揄されているわけではなく、むしろ関係者が協力して目指していく歴史として語られていることがわかります。

特にホッブズから始まる自然状態の概念、ロックの抵抗権、そしてルソーの一般意志に至るまでの議論が印象的でした。

ルソーの一般意志という概念は、そんなもの普通はないやろ・・・と感じましたが、「そういう前提があると仮定すると」、自由でありながら全体によって統治される状態が成立するというロジックに興味を持ちました。現実世界でそのような状況が実現することはまずないでしょうが、そこを目指すことの重要性が理解できました。

この民主主義の検討は、会社の運営にも示唆に富むものだと感じました。(私自身が会社の言いなりになるみたいな状況が苦手なことに由来するのかもしれませんが)従業員一人一人が自由な意思を持ちながらも、全体として会社の利益が最大化される方法を考えることは、私にとって重要なテーマです。

そんな時に、この民主主義の社会契約論の考えが役に立つかもしれないと感じました。(正確には違いますが)社会契約論では、各々が共同体として考えたり議論したりすることで個々の意思(特殊意思)が、その多数決などの総和(全体意思)にならず、常に誤りのない公益に即した意思(一般意志)となります。

これを会社経営に応用してみます。大前提として、従業員一人一人が十分なスキル・マインドセットを持ち、多数決的な意思ではなく、話し合いに基づき会社の利益を目指す誤りのない意思に基づいて経営ができれば、それは非常に民主主義的な会社経営なのではないかと考えます。もちろん現実にはそうしたことが完全に実現可能かどうかは疑問ですが、それを信じて目指すというのが民主主義的なアプローチなのかもしれません。

このような考えに基づくと、私は民主主義的なアプローチを重視し、信じる立場を取りたいと考えています。

もちろん、状況に応じて様々な手段を取ることが肝要です。会社は利益を追求することが大前提であり、民主主義的なアプローチにこだわりすぎることが利益を損なう結果になることは避けなければなりません。

重要なのは、民主主義的なアプローチが可能な場合に、それを積極的に選択する姿勢です。私はその方向性を目指し、民主主義的なアプローチを重視した会社で働いていきたいと考えています。

さて、民主主義自体の検討の歴史も面白いのですが、最近ハマっている100de名著に出てくる人たちも結構登場するのも面白いポイントです。

例えば、ルソーの社会契約論が民主主義の中心的な思想であるとされていますが、彼の考える自由とカントの純粋理性批判における自由意志との関連性についての議論や、全体主義についてのアーレントの見解など、異なる視点がつながることが興味深いです。

様々な異人の検討によって今の私たちの社会は支えられているんだなぁと思う今日この頃でした。

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