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第1回に引き続き今回も社会情報学について勉強していきたいと思います。
第2回のテーマは社会情報学の定義です。結論から言うと社会情報学の定義は以下のようにとらえて今後勉強していこうとなりました。

社会情報学とは社会における情報および情報現象に対し様々な研究手法を用いて社会や人間の仕組みを明らかにする学問である。

では、以下に本日の内容をまとめていきます。

~第2回のまとめ~

社会情報学において著明な人の定義

”情報の視点から人間や社会を社会科学的に解明するために、情報及び情報現象を社会的文脈の中において探究する学問(『情報学辞典』より/ 項目担当:浜田純一)”

”情報社会を対象にしてその「自己組織性の現代的特質」を明らかにする学問領域(吉田民人「社会情報学の構想とその背景」)”

”情報の構成要件を明らかにし、この構成要件の変化として社会情報現象を研究する(田中一「情報と情報過程の総合的考察」)”

”The notion of social informatics relates to the interaction between society and ICT(Vasja Vehovar「social-informatics.org」)”

”情報研究とメディア研究という複眼的な視点のもとで、「社会における情報やメディアの生産過程」,そして「情報やメディアに依拠した社会の(再)生産過程」を相対的にとらえることを目指している (正村俊之『情報社会論から社会情報学へ』)”

”社会における情報現象を情報の流れに即しながら明らかにする学問(伊藤守「知の創成としての社会情報学」)”

”社会情報に関わる問題を、個別的・断片的にではなく、現代社会の情報現象全体と関連させながら研究する(研究対象の総合性)とともに、研究対象のこうした広がりに対応して、伝統的な学問領域の域を超え、これらを統合する学際的な研究方法(研究方法の総合性)を採用する (浜田純一『社会情報学の学際的展開』)”


各大学の社会情報学系学部は何をやっているのか?

  • 群馬大学 社会情報学部
    情報社会全体を「学部共通科目」で理解し、「情報行動学科(意思決定やメディア)」「情報社会科学科(社会を分析)」の2つのコースにわかれる。
  • 中央大学 社会情報学専攻
    ”日本はもとより世界、そしてインターネットによる電子世界。そこを取り巻く様々なコミュニケーション・情報と人々。問題が山積みされています。それらが社会情報学のテーマです。」「社会情報学は、社会に存在する様々なコミュニケーションと情報、すなわち「社会情報」について多次元的に考察する学問です。”
  • 札幌学院大学 社会情報学
    教育目標は、情報社会学の形成に貢献するために社会の出来事や情報を多角的にみられる幅広い視点を持ったうえで情報の収集分析処理のスキルを持った人材を育成すること


社会情報学における2つの主流

・吉田民人系列
人がかかわる情報はすべて社会情報であり、同じ枠組み(自己組織性)で分析することができ、むすろすべきだという系列。理論ベースで、若干哲学的な部分がある。

・実際の社会に即したものであるべきだ系列
とにかく、社会状況などをデータ等を用いて解明していこうとする系列。情報を用いて社会を科学する。

もちろん、明確に上記の2つに分けることはできず、どちらかに偏っていたり、中間的な色合いをもった流れも存在するようです。


社会情報学の目的・手法・対象

ということで以上のような話をしながらゼミの参加者全員がある程度「OK」という内容は以下のようにまとまりました。

  • 目的:社会や人間の仕組みを明らかにする
  • 手法:なんでもよい(が、社会科学や人文学における手法を中心とする)
  • 対象:社会における情報および情報現象(哲学における現象とは異なる)

まとめ 社会情報学とは何ぞや?

社会における情報および情報現象に対し様々な研究手法を用いて社会や人間の仕組みを明らかにする学問

次回までに各人やってくること
社会情報学には具体的にどのような分野があるのか調べてくる。それぞれの分野の階層構造にまで踏み込めると素晴らしい。内容までは踏み込まなくてOK(それは次々回)。
例えば、図書館情報学には、「情報の組織化」「検索技術」などの研究分野があって、「情報の組織化」の下には「書誌コントロール」などがある、といったことが分かると嬉しい。
社会情報学入門などの書籍をあたったり、インターネットの社会情報学についての記事などをあたる。

次回やること
1.調べてきた分野に対してそれぞれが社会情報学(今回の定義)の枠組みに位置づけられているかチェックする
2.それらの分野から大きいものを取り出して簡単な階層構造をつくる(時間があれば)

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