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図書館情報学の一分野に「ビブリオメトリクス」という研究分野があるようです。
ビブリオメトリクスとは簡単に言うと書籍や書誌について、
数学的、統計学的な分析を通じて対象の一側面をとらえよう
という研究領域のようです。
(『図書館情報学の地平 50のキーワード(監修:三浦逸雄, 編集:根本彰)』
p.125 「ビブリオメトリクス 何を数えるか, 何のために数えるか(芳鐘冬樹)」より)

具体的にどのようなことをやっているのでしょうか。
上述の図書を参考にしながら、その姿に迫っていこうと思います。

ビブリオメトリクス(bibliometrics)は書籍・書誌(bibrio-)と計量学(-metrics)
の組み合わせでできている用語です。
つまり、書籍・書誌を計量する(数える)学問なのです。

まず、始めに
1、書誌・書籍って数えられるの?てか、何を数えるの?
という疑問が浮上します。

次に
2、書誌・書籍を数えて何が楽しいの?
という疑問が浮上します。

順番に考えていこうと思います。

1、書誌・書籍って数えられるの?てか、何を数えるの?
芳鐘さんによると、
ビブリオメトリクスが「計量」する対象は、図書館情報学が扱う事象
つまり、文献等を媒体とした情報の生産・流通・利用にかかわる事象
であるという。大雑把に整理すると以下の4つに分けることができます。

ビブリオメトリクスが対象とする4領域

ビブリオメトリクスが対象とする4領域

それでは、上の4つで何を数えるかというと
1、情報の生産
 著者、共著者、所属機関など
2、情報の流通
 文献の掲載誌名、出版年、出版地など
3、情報の利用
 引用主体の文献名、図書館の利用者の種別など
4、情報そのもの?
 テキスト中に現れる語など
となります。

これらを計量し、統計的な分析を行うことにより、それらの中にパターンを見出していく
というのがビブリオメトリクスであります。

2、書誌・書籍を数えて何が楽しいの?
ビブリオメトリクスも研究分野である以上何らかの役に立つ
必要があると思われます。
以下も芳鐘さんの文章をまとめたものであります。
ビブリオメトリクスの研究目的は2つに分けることができるようです。
(1)情報を取り巻く環境に見られるパターンの解明
→情報にかかわる人間の振る舞いを読み解くこと
(2)情報活用への応用
→図書館における資料の管理検索、研究評価の指標を作るなど

最近ではウェブメトリクスなどという、インターネットのウェブページを
計量対象とした新しい研究領域も現れてきているようです。

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