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今回は社会情報学の学問体系構築の取組を学ぶとともに、これからの知識体系構築の方向性を議論しました。

本日学んだこと

  • BOK(Body of Knowledge)とは何か
    BOKとは特定学問の知識体系のことです。どのような学問でもその学問を学問たらしめるその学問の体系が存在します。具体的な例だと、IEEE-CSのCSBOK(権威的学会によるコンピュータ科学の分野体系を規定するもの)などがそれにあたります。
  • 学問分野策定における2つの方法
    1. トップダウン方式
      権威主義的な方法であり上位構造から順に決めていくもの
    2. ボトムアップ方式
      学問分野のトピック(要素)を集めそれらの類似性をもとにまとまりを作っていく方法
  • WikiBOKの成果
    Wikipediaの学問構築バージョンのようなソフトを用いて、複数人によって新生学問分野を構築する試みです。青山学院大学のカリキュラムを参考に11個エリアを策定しました。
  • 五藤の分析によるキーワード抽出
    五藤は日本社会情報学会誌に掲載された論文81件のタイトル及びキーワードから上位12語を抽出しました。

WikiBOKにより得られたエリアや、五藤によるこキーワードは社会情報学の特徴的な分野であると考えられます。

今後の方針等
学問分野の構築においてはボトムアップの手法も取り入れる方法が必要であると考えられます。機械的なクラスタリングでは限界があると考え、人手による学問構築を中心とすることにしました。その際、日本で社会情報学を教えている大学のカリキュラムを元にすることにしました。

次回までに各自やってくること

  • 担当の大学について、そのカリキュラムから社会情報学のトピック(分野)を抽出し、それらが社会情報学として適切なものかチェックしてくる

次回までに私がやってくること

  • 日本で社会情報学を教えている大学を(ほぼ全て)ピックアップする
  • その他の社会情報学BOK構築の取り組みについて調査する

参考文献

  • 増永 良文, 石田 博之, 伊藤 一成, 伊藤 守, 清水 康司, 荘司 慶行, 千葉 正喜, 長田 博泰, 福田 亘孝, 正村 俊之, 森田 武史, 矢吹 太朗. WikiBOKを用いた社会情報学の知識体系構築実験. DBSJ Journal, Vol.12, No.1, pp.133-138

  • 矢吹太朗. ユニットのクラスタリングによるBOKエリア自動抽出. 社会情報 = Social Information, 22(2): 71-77

  • 増永良文. ソーシャルコンピューティング入門. サイエンス社. 2013年3月

  • 五藤 寿樹. 日本社会情報学会誌(JASI)はどのような研究を発表してきたか. 日本社会情報学会学会誌 23(2), 5-12, 2012-03-31

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