投稿者: rilmayer

詩を読むという贅沢な時間

今日は久しぶりに、思いつくままに書いてみようと思います。

普段から、たまに「TAKRAM RADIO」を聴いていますが、最近聴いたエピソードで、「短歌」という表現があることを改めて思い出しました。

そのエピソードは、「Vol.243 歩く時間、日記の時間〜詩とは自分のなかの真実を見つけること | TAKRAM RADIO」です。

そもそも、短歌という概念が自分の頭の中から消えてしまっていたこと自体が少し怖いですが、この機会に久しぶりに本屋で歌集を手に取ってみました。

選んだのは、伊藤紺さんの『気がする朝』です。

パラパラとめくって、心に響いた歌を何度も繰り返し読んでいました。こうして贅沢な時間を過ごしている自分を感じて、「大人っぽいな」とか「東京っぽいな」と、なんとなく思ったりしました。

特に気に入った歌が2つあります。

下心のあるやさしさだとしてもありがとうやさしくしてくれて(p.85)

叶わないことがたくさんあったって
別に不幸ではないと思った(p.106)

伊藤紺さんはラジオの中で、歌集がゴシック体であることにこだわっていると話していました。だから、実際に本を手に取って読んだときの感覚と、このブログ記事を読むときの感覚は、少し違うのかもしれません。

事前に聴いていたラジオの影響もあってか、作者が歌を通じて自分なりの真実を伝えようとしているのだろうな、とぼんやり考えながら読み進めていました。そんな読み方も、なかなかいいものです。

1つ目の歌は、ひらがなのなめらかな繋がりが美しく、共感できる部分も多かったです。また、一文の中に切ない気持ちが込められていて、それが面白いと感じました。

2つ目の歌は、一見普遍的なことを言っているようですが、作者が自分なりの発見を伝えようとしているように思えます。その思いが、自分の中でスッと腑に落ちる感覚がありました。

こうした歌集を読む時間を「贅沢」と感じる心を大切にしたいと思います。もっと日常の中で、こうした贅沢な時間を持てたらいいなと思います。たとえば、朝にゆっくりとコーヒーを淹れる時間のように、素敵な文章に触れる時間を大切にしたいものです。

 

民主主義面白い

最近、COTEN RADIOで民主主義についてのトークを聞いて、民主主義オモシレーとなっています。

学校で学んだはずなのに当時の印象と全く異なるのは、深井さんや他のパーソナリティーが独自の意味付けをしてくれているからだと感じます。

個人的に面白かった学びとしては、民主主義自体がシステムではなく、思想・宗教の類であると認識できたところでした。

番組を聴くと、民主主義が単なる「思想や宗教」として揶揄されているわけではなく、むしろ関係者が協力して目指していく歴史として語られていることがわかります。

特にホッブズから始まる自然状態の概念、ロックの抵抗権、そしてルソーの一般意志に至るまでの議論が印象的でした。

ルソーの一般意志という概念は、そんなもの普通はないやろ・・・と感じましたが、「そういう前提があると仮定すると」、自由でありながら全体によって統治される状態が成立するというロジックに興味を持ちました。現実世界でそのような状況が実現することはまずないでしょうが、そこを目指すことの重要性が理解できました。

この民主主義の検討は、会社の運営にも示唆に富むものだと感じました。(私自身が会社の言いなりになるみたいな状況が苦手なことに由来するのかもしれませんが)従業員一人一人が自由な意思を持ちながらも、全体として会社の利益が最大化される方法を考えることは、私にとって重要なテーマです。

そんな時に、この民主主義の社会契約論の考えが役に立つかもしれないと感じました。(正確には違いますが)社会契約論では、各々が共同体として考えたり議論したりすることで個々の意思(特殊意思)が、その多数決などの総和(全体意思)にならず、常に誤りのない公益に即した意思(一般意志)となります。

これを会社経営に応用してみます。大前提として、従業員一人一人が十分なスキル・マインドセットを持ち、多数決的な意思ではなく、話し合いに基づき会社の利益を目指す誤りのない意思に基づいて経営ができれば、それは非常に民主主義的な会社経営なのではないかと考えます。もちろん現実にはそうしたことが完全に実現可能かどうかは疑問ですが、それを信じて目指すというのが民主主義的なアプローチなのかもしれません。

このような考えに基づくと、私は民主主義的なアプローチを重視し、信じる立場を取りたいと考えています。

もちろん、状況に応じて様々な手段を取ることが肝要です。会社は利益を追求することが大前提であり、民主主義的なアプローチにこだわりすぎることが利益を損なう結果になることは避けなければなりません。

重要なのは、民主主義的なアプローチが可能な場合に、それを積極的に選択する姿勢です。私はその方向性を目指し、民主主義的なアプローチを重視した会社で働いていきたいと考えています。

さて、民主主義自体の検討の歴史も面白いのですが、最近ハマっている100de名著に出てくる人たちも結構登場するのも面白いポイントです。

例えば、ルソーの社会契約論が民主主義の中心的な思想であるとされていますが、彼の考える自由とカントの純粋理性批判における自由意志との関連性についての議論や、全体主義についてのアーレントの見解など、異なる視点がつながることが興味深いです。

様々な異人の検討によって今の私たちの社会は支えられているんだなぁと思う今日この頃でした。

100分de名著『純粋理性批判』

100分de名著シリーズです。

前半はカントが人間がどのようにものを認識しているかをカントなりに整理しています。

実際のものがある世界(叡智界)と、感覚を通してそれらを理解している(現象界)私たちの世界観は確かにそうだなと思いました。人間に共通して組み込まれている認識のパターン(悟性)を検討して、人々が共通して認識できる仕組みを説明しようとしているようです。

後半は自由(意志)とは?みたいな問題に切り込みつつ、よく生きることについて考えていくのが面白かったです。結論として、自由意志を大事にして道徳的に生きよみたいな話をしているのが、前半の話はなんなんだ?と思いつつです。

ハイデガーの時も思ったけれど、哲学ではどう生きるかは結構重要な問いなのだろうなと思いました。(それとも100de名著の編集の方向もあるのでしょうか。)

100de名著『論語と算盤』

最近100de名著にはまっている。
NHKの番組でテキストもあるので、良い感じに名著を学ぶことができるので大変重宝している。

前回ハイデガーの「存在と時間」については大いに面白かったので、別途noteで記事書いた。(100分de名著で『存在と時間』をキャッチアップした

今回は渋沢栄一の「論語と算盤」の回を見た。特に良かったのは以下のようなポイントである。

  • 志と天命 … 志は可能性をもとに作られる。天命は己の限界を知った上で作られる。
  • 若者よ箸を取れ … 機会(ご馳走に例えられる)は用意してやるが、流石にそれをやることを強制する(飯を口に運んでやる)ことはできないという意味あい。気概を持って己の意志で物事にあたるべしというメッセージ。
  • 公益のための利益追求 … 公益のために会社で利益を上げていくと言う考え。
  • 対局をバランスする … 色々な意見などを取り入れられるのが良い。

仕事でお金儲けしていくなかでも、私利私欲に飲まれることなく公益の追求は常に考えていきたいと思った。

また、対局にあるものバランスしていくのは個人的にも大事にしていることなので(自分にとって大切なスタンスの意識と見直し→多様な意見を尊重しお互いを信頼し合える環境の促進)、やはりこれが公益につながっていくのだろうなと思うとより一層身が引き締まる思いである。

英作文30日チャレンジ

毎日異なるテーマで英作文をして、英語力を向上させたいときのテーマ集。これらのテーマは100単語以内で書くことが可能です。

頑張りましょう!!

  1. 自己紹介 – 自分の基本情報を紹介しましょう。
  2. 好きな食べ物 – なぜそれが好きかを説明してください。
  3. 家族について – 家族構成や特別な思い出を共有しましょう。
  4. 趣味について – あなたの趣味とそれが好きな理由を説明してください。
  5. 将来の夢 – 将来何になりたいか、または達成したいことを書きましょう。
  6. 最近読んだ本 – その本の簡単なあらすじや感想を書いてください。
  7. 旅行計画 – 行きたい場所とその理由を説明しましょう。
  8. 学生時代の思い出 – 楽しかったこと、大切な経験を共有してください。
  9. 尊敬する人物 – その人物についてと、なぜ尊敬しているかを書きましょう。
  10. 好きな映画 – その映画のあらすじと、何が好きかを説明してください。
  11. 休日の過ごし方 – 通常の休日はどのように過ごしているかを書きましょう。
  12. 学んでいること – 現在学んでいることや興味があることを共有してください。
  13. 重要な文化的伝統 – あなたの文化における特別な伝統を紹介しましょう。
  14. お気に入りの場所 – その場所が好きな理由を詳しく説明してください。
  15. 健康についての考え – 健康を保つためにしていることや考えを共有しましょう。
  16. 最近のニュース – 最近気になったニュースについて書いてください。
  17. 学校や職場の一日 – 普段の一日の流れを紹介しましょう。
  18. 特技について – あなたの特技とそれを身につけた経緯を説明してください。
  19. 心に残る映画や本の一節 – 強く印象に残っているセリフや引用を共有しましょう。
  20. 理想の生活 – 理想の生活について詳しく説明してください。
  21. 環境問題への考え – 環境問題に対するあなたの考えや提案を書いてください。
  22. 子供の頃の夢 – 子供の頃に持っていた夢や願いを共有しましょう。
  23. 影響を受けた人物 – あなたの人生に大きな影響を与えた人物を紹介してください。
  24. 最も影響を受けた本 – その本がどのように影響を与えたかを書きましょう。
  25. 過去の重要な経験 – あなたにとって重要だった経験とその理由を説明してください。
  26. 好きな季節 – その季節が好きな理由を詳しく書いてください。
  27. 行ってみたい国 – どの国に行きたいか、その理由を共有しましょう。
  28. 好きな音楽 – 好きなアーティストやジャンル、その理由を説明してください。
  29. 成功とは何か – あなたにとっての成功の定義を書いてください。
  30. 将来の目標 – 短期間や長期間の目標を紹介しましょう。

Hugoで静的サイトを作成する

こんにちは!今回はhugoで静的サイトを作成するために、やったことをメモっておこうと思います。

個人サイト作り直そうかなというツイートしたところ、友達のいけてるデザイナーから以下のようなリプライをもらいました。

で、いろいろ調べてみたらHugoよさそうだったので、Hugoをどのようにキャッチアップして、個人サイトの作り直しをしたかの備忘録をメモっておこうと思いました。

作り直したいサイト

個人的なプロフィールサイトを結構昔から運用しているのですが、HTMLやCSS全部ゼロから入力で作成&FTP通信経由でファイルを更新という20年前のインターネットをずっとやってました。

今見たらCopyrightが2015年になってますね。古い!

Hugoのキャッチアップ

ひとまずHugoのページいって、About読んだり、Quick Start読んだりして、とりあえず動かして、Hello World的なサイトは作れました。が、そこであんまりよくわからんなという感じになってしまいました。

というのも、そもそもここ最近はずっとバックエンドよりの開発しかしてこなかったので、静的サイトジェネレーター(Static Site Generator)などのアイディア自体あんまり親しくなかったからです。ということで、そのあたりから解説してくれる本とか記事ないかなということで探して、以下の書籍を見つけたので一通り読んでみることにしました。

meganii (著) 『Hugoで始める静的サイト構築入門 静的サイトジェネレーターで作る自作サイト 』

この本の1、2、3章を読んで、ここ最近の静的サイトジェネレイターのパラダイムがざっくり理解できたような気がしました。

4章以降を読むと、色々なデザインのテーマを利用して使って簡単なサイトを構築できるようになりました。

詳細は上記の本を読んでいただけると良いかと思いますが、ブログ投稿などで有用な機能が多数提供されているように感じました。
時間あったら、このブログもHugoにお引越ししても良いかもしれません。

作り直し

方針

作業メモ

リポジトリ

静的サイト作成の初心者なのでとりあえず、Githubに「frsw.net-source-hugo」的なリポジトリを作成して、Hugoのプロジェクトのリポジトリとして利用することにしました。

デザイン

Hugo Themesでよさそうなデザインを探しました。その中で、Hugo Eurekaというデザインがよさそうだったので、利用させていただくことに。

すでに必要なHugoなどのインストールは終わっているので、まずは以下のコマンドでサイトを作成します。

サイト作成

# サイト作成
hugo new site . --force

# テーマ適用
hugo mod init github.com/wangchucheng/hugo-eureka.git

# 用意してくれたサンプルサイトの設定をコピー
curl https://raw.githubusercontent.com/wangchucheng/hugo-eureka/main/exampleSite/config/_default/config.yaml > config.yaml
curl https://raw.githubusercontent.com/wangchucheng/hugo-eureka/main/exampleSite/config/_default/languages.yaml > languages.yaml
curl https://raw.githubusercontent.com/wangchucheng/hugo-eureka/main/exampleSite/config/_default/menus.yaml > menus.yaml
curl https://raw.githubusercontent.com/wangchucheng/hugo-eureka/main/exampleSite/config/_default/params.yaml > params.yaml

# オリジナルのconfigファイルを削除
rm config.toml

あとは、サンプルサイトのテンプレートを見ながら、よしなにcontentフォルダ以下にページを追加していけばOKです。

今回は特にグローバルメニューとか作らなくても良いかもとなったので、contentフォルダは以下にhomepageフォルダを追加して、その中にいくつかのページを追加することで完成です。

完成

以下のようなページになりました。現代風でいいですね。

 

今回Hugoに変えたことで、今後ブログのポストのようなものもここに簡単に追加できるようになりました。

今後

ひとまず、このサイトを現在ホストしているところにポンと置くようにしました。

今後はGithubアクションと連携して、Pushしたら自動でサイトに反映されるところまで作りたいと思います。

 

 

 

2022年のまとめ & 2023年抱負

こんにちはfurufuru(@rilmayer_jp)です。最近、会社で呼ばれているハンドルネームに変えました。

2022年の振り返り & 2023年の抱負をまとめたいと思います。

年末に扁桃炎で高熱を出してダウンしてしまったのでやや遅れ気味です。
振り返ってみると2022年は色々あったような気がします。

長くなってしまったので、概要を載せておきます。忙しい方はここだけ読めば良いかもです。

  • 2022年
  • 2023年
    • 引き続きプロダクトマネジメントの標準化を進めつつ、クロスセルを意識したレコメンデーションの検討を進める。
    • 英語は引き続き強化しつつ、デザインのスキルを本格的に身につけてみようかと思う。

はい、では振り返りスタートです。

2022年振り返り

振り返りのフレームワーク

そこからか?という感じもしますが、ここ数年間で導入している振り返りのフレームワークがあるので、振り返りがてら紹介しようと思います。

以下のようにいくつかの項目があり、それぞれについて振り返ってみるというものです。

  • 1. 年間目標:長期的にやりたいこと・ありたい姿と、そこから設定した具体的な行動計画がどうだったか
  • 2. マインドセット:自分が重要視しているマインドセットを年間通じてどの程度意識できたか
  • 3. スキルセット:すでにある程度身についているスキルに加えて、どの程度新たなスキルが身についたか
  • 4. イベント:カレンダーを見返しながらどんなことがあったかを振り返る
  • 5. 本・記事・映画・漫画など:振り返って今年の10冊をピックアップ

一部内容はブログでは公開できないですが、公開できるところは公開していこうと思います。

それでは振り返りスタートです〜。

1. 年間目標

ここ数年変わっていないのですが、長期的にやっていきたいこととして以下のテーマがあります。

良いものを作る。そのための仕組みを作る。その方法も作る。

このテーマから、今年の目標は「組織論や経営学を学び、今働いている会社のDiscovery体験の改善を組織的に進める」でした。

やったことベースでいうといくつかあるのですが、ここでは「体系的なプロダクトマネジメントの導入」について振り返ってみます。

体系的なプロダクトマネジメントの導入

2022年はうっすらとプロダクトマネージャーやるかもしれないという予感があり、やるならプロダクトマネジメントの導入をちゃんとやろうと思っていたのでそこが1つのテーマでした。

背景

会社で所属しているチームメンバーが徐々に増え、チームが会社で担う役割・期待されることも徐々に大きくなっているなか、自分達のチームを専任でみるPMが不在のため色々と不都合が生じていた状況でした。またチームメンバーからも「長期的なビジョンが見えない」や「外部チームとのやりとりでトラブルがある」などの不満も生じていていました。(この辺は後述の記事で語っています。)

やったこと

  • 自分の役職をPMに変更:すでに半分PMのような動きもしていたのですが、実際の肩書きがエンジニアであったため個人的にもなかなか動きづらいところがありました。そこで会社と話して自身の会社での所属をPM組織に変更してもらいました。
  • 理想のプロダクトマネジメントを言語化:プロダクトマネジメントは初心者だったので、まずは型を身につけるために「体系的なプロダクトマネジメント」とは何かを言語化するために、書籍を読み漁って、社内ドキュメントとしてまとめました。以下、私のプロダクトマネジメントの骨子となっている書籍です。
  • プロダクトビジョンを作成:今までなかったので、まずはここから着手しました。「なぜプロダクトビジョンが必要か?」というところの明確化からはじめて、関係者と複数回の議論を経てビジョンを作成しチーム内外で共通認識を作っていきました。より背景を理解してもらうためにブログを書いたり(“Product Diseases” Mentioned in Radical Product Thinking)、ビジョンを伝わりやすくするためにデザイナーと一緒にイラスト化をしたりしました。
  • プロダクトの戦略を明確化&ロードマップを作成:「色々できるんだけど結局何やるの?」というチーム内外のメンバーの疑問に応えるべく、その辺りを明確化していきました。主にプロダクト(ユーザー体験がどう変わるか)がメインではありますが、そのために投資する技術(機械学習とか)やその時間軸、数年後にどんな状態になっているかなどをドキュメント化して社内で共通認識を作りました。
  • プランニングプロセスの明確化:今までチームの4半期ゴールはOKRというフレームを使っていたのですが、OKRの設定は特定メンバーがチームメンバーや上位意思決定者と話しながら「こんな感じやろ!」で設定していた属人化強めなプロセスでした。そこで「プロジェクト」という単位とその種類を明確化し、プロジェクトをどのようにチームの計画に載せるか、どのように優先度をつけるかを明確化してチーム内で共通認識を作っていきました。
  • 情報の透明化:基本的には会社レベルでの情報の透明性は非常に高い弊社ですが、情報にアクセスできるだけでは透明性が担保されているとは言い切れません。詳細を確認するために公開されているドキュメントを読み込んで重要な部分(自分達のチームに影響がある会社の意思決定など)を拾うのは難しい場合があります。さらに私としての透明性の重要な側面として「次の行動が誘発される」というものがあるため、開発者にとってそのような透明化を行うために以下2つの情報の透明化を図りました。
    • 社内情報:重要事項に絞ってアップデートあるたびにPMから細かく共有するようにしました。特に注意したのは情報を受け取るメンバーの驚きを最小化することと、情報の持つ意味(何がどのように自分達に影響するか)を丁寧に伝えることの2つです。
    • ユーザー理解:元々データを活用する文化はあったのですが、UXリサーチ等の定性的な情報にもアクセスできるようにしました。UXリサーチャーとチームメンバーを繋いだり、定性調査の結果をメンバーにシェアするなどしました。

変わったこと

色々やってますが上記の取り組みは結果が伴わなければただの自己満です。

実際のところどうだったかというと、少しずつ成果が出始めており、今年の後半ではチーム史上過去最高にKPIを向上させることができました。

とはいえ、チームメンバーがみんな本当に優秀なので放っておいても成果出るパターンだった可能性は大いにあるのですが・・・
あま、そこに少しは貢献できたと信じます・・・

色々やったのですがやりたかったことの60%くらいしかできなかったので、残りは2023年に頑張ることとします。

2. マインドセット

毎年そんなに変わらないのですが、今年大事にしていたマインドセットは以下の内容です。

この辺の詳細は昔noteで記事書いた(その中では「スタンス」という言葉を使っています。)ので参考にしてもらえると良いかもです!

大事にしたいマインドセット

  • いつでも大事にする : プライベートでも大事にしたい価値観
    • 集中:文字通りそのまま、一度に複数のことに同時には取り組まない姿勢。
    • 常軌を逸する:別に頭おかしいことをしたい訳ではなくて、常に常識を疑い続けて、おかしいと思ったらその常識から逸脱することを意識し続けるようにするという意味あい。
    • 好奇心に従う:好奇心が一番大事。
  • 組織でいるとき大事にする : 組織人として大事にしたい価値観
    • 客観的視点を伴った主体性:何事にも主体的に取り組むんだけれど、客観視点忘れない。
    • 機会開拓による自己革新:リクルートの昔の社訓「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」的な意味合い。
    • あらゆる瞬間を最大限活用:限られた時間リソース有効活用するために、その時その時でできる限り考えて最良の行動をする。
    • 多様性を尊重し双方の長期価値を模索:自分と違うことを受け入れて、あらゆる関係者の長期的価値が最大化される道筋を考える。

どうだったか振り返り(いくつかピックアップ)

◎ よかった

  • 好奇心に従う:忙しかった割には結構興味を広げられた1年だった気がします。
    • 美術(史・哲学):美術史学んで、画廊に行って絵画買うなどしてみました。
    • 外交史:仕事で使う交渉術から派生して、外交による国と国のパワーバランスの保ち方など学んでみました。
    • 倫理学:倫理学の基礎を学んでみました。応用として技術者倫理も学びました。
    • 刑法:漫画『ハコヅメ』読んで興味が出たので、基本的な内容を学んでみました。
  • 機会開拓による自己革新:PM始めたことで、考え方や行動が変わり自己革新できたかもと思います。

× ダメだった

  • 集中:全然集中してなかった1年だったように思います。来年はもっと集中を意識したいですね。。
  • あらゆる瞬間を最大限活用:これはあまりできなくて、後で考えればいいかと後回ししてしまったり、自分で作ったタスクの制限時間などなかなか守れなかったところがありました。来年は頑張りたいところです。

3. スキルセット

今年は「英語」と「PM」のスキルを伸ばしていきたい年でした。

英語

仕事でドキュメントを大量に書くので、英語力がしょぼいと伝わらなかったりドキュメントそのものの信頼性が下がってしまうため、ライティング力を少しだけ強化しました。

主にやったのは、英作文の添削サービスに、日記やブログなどの下書きを英語で書いて添削してもらうというものでした。

個人的には結構効果があったかもと思い、今後も継続して英文作成の能力を上げていこうと思いました。

PMスキル

書いておきながら、PMのスキルをズバリこれといった形で列挙するのは結構難しかったです。個人的にはPMの能力はマインドセットによる部分が大きい気がしており、それ以外は知識でカバーできるところも実は多いと思っています。ですが、それでも特に伸ばしたいと思っていたスキルが「交渉力」でした。

交渉は「相手と自分の利害を調整して、双方の納得できる落とし所を作る」ことだと思っているのですが、PMをやると意外と(意外じゃないかも)交渉を行うシーンが多く発生します。

そのため、いかに短時間で相手の要望を許容しながらこっちの要望を飲んでもらうかに苦心することになります。できればWin-Winが良い訳ですから、それをできるようになる必要があり、うまくできてこそ良いPMと思いました。と言うことで、本を読んで実際の交渉シーンでセオリーに従ってみたり、相手のコンテクスト考慮しつつ通したい内容を盛り込んだ提案をしてみたり、時には妥協してみたりしながら交渉力をつけてきた1年だったと思います。

来年も引き続き、Win-Winな結論を導き出せるPMをやっていきたいと思います。

4. イベント

主な出来事をピックアップしました。

5. 本・漫画・記事など

今年の10セレクトは以下の通りでした。必ずしも今年出版と言うことではなく、今年心を動かされたり、お世話になった本からピックアップしています。(※アフィリエイトリンクです)

  1. (本)『ラディカル・プロダクト・シンキング イノベーティブなソフトウェア・サービスを生み出す5つのステップ』ラディカ・ダット (著), 曽根原 春樹 (翻訳, 監修), 長谷川 圭 (翻訳):今年最も読み込んだ一冊。「アジャイル活用してKPIをガンガンあげていくだけだとダメな気がする」という私のモヤモヤに1つの答えを与えてくれました。同じ課題感を持ってる人は一読をおすすめします。
  2. (漫画)『左利きのエレン』かっぴー (原作), nifuni (漫画):活動のエネルギー源。連載開始から毎年お世話になってますが、今年で完結となり寂しさもありますが、素敵な作品を描き切っていただき感謝です。毎話泣きそうになるのはなぜでしょうか。私が天才になれなかったからか…
  3. (本)『ドキュメント トヨタの製品開発: トヨタ主査制度の戦略,開発,制覇の記録』安達 瑛二 (著):こちらの本もたまに読み返すのですが、今年は特に読み返しました。私のPMとしての振る舞いは、この本で描かれるトヨタの「主査制度」をかなり参考にしています。本書冒頭の”主査は直属の主査付を除く製品開発チームのメンバーへの人事権も命令権も持たず、「説得・調整する権利」だけを持つので、主査は「なぜそれが必要か」、「なぜその成功確率が高いと予想できるか」をひたすら説くしかない。” という一節がこの主査制度の一面をよく表していてとても好きです。
  4. (記事)「【すずめの戸締りネタバレあり感想】これは、「秒速原理主義者〈ラディカル5センチメーター〉」の見つけた「世界の秘密」についての記録だ:かくいう私も秒速原理主義者でね。『君の名は。』から『すずめの戸締まり』までの新海監督の作品の変化で、私が感じていた感覚を見事言語化してくれた記事でした。置いて行かないでくれよ…
  5. (論文)Farzad Eskandanian and Bamshad Mobasher. “Using stable matching to optimize the balance between accuracy and diversity in recommendation.” Proceedings of the 28th ACM Conference on User Modeling, Adaptation and Personalization. 2020. :今年は自由研究として経済学(マーケットデザイン)の推薦システム応用を検討していました。私が主に関わっているフリーマーケット分野では出品者・購買者がいる中で、必ずしも購買者の効用だけを最大化すれば良いとは限らないと感じており、そこに対して考えるヒントをくれたのがこの論文でした。ゲール-シャプレイアルゴリズムが好きだったのもあり、私としては非常に面白い内容でした。
  6. (本)『ふだんづかいの倫理学』平尾 昌宏 (著)
  7. (本)『経営戦略 – 論理性・創造性・社会性の追求 第3版』大滝 精一 (著), 金井 一頼 (著), 山田 英夫 (著), 岩田 智 (著)
  8. (漫画)『チ。―地球の運動について―』魚豊
  9. (本)『HEALTH RULES 病気のリスクを劇的に下げる健康習慣』津川友介 (著)
  10. (漫画)『らーめん再遊記』久部緑郎 (作), 河合単 (画), 石神秀幸 (協力)

その他

  • ボードゲーム … 2022年後半にハマりました。一緒にやりましょう。
  • ウィッシュミーメル(サンリオ)… 2022年一番の推しです。
  • 入浴 … 引っ越してちゃんとしたお風呂がついた家に来たら入浴が楽しくなりました。来年はバスソルトとか手を出したい。
  • 健康 … 体重が増えた。。痩せたい。。

2023年の抱負

2023年のテーマ

2023年も引き続き、良いものづくりをしていきたいと思います。2021年は「技術力とは何か?」の言語化を進めて、ある程度自分なりの答えを持つことができました。2022年は「Discovery体験とは何か、それを実現する良いものとは何か?」、「組織における良いものづくりとは何か?」を問うてきたように思います。

2023年は以下のようなテーマを深掘っていこうと思います。

[その1] ハッとする商品との出会いを実現するレコメンデーション

従来的なECにおけるレコメンデーションは最終的なビジネス目標として「購入してもらえる商品を推薦」できたら基本的にはOKなのですが、「購入してもらえる商品」の内訳は大きく分けて2つあります。1つは「特にレコメンデーションしなくても買ってもらえる商品」で、2つめは「レコメンデーションしなかったら出会えず、購入することもなかったであろう商品」です。ここでは後者のタイプの商品を「ハッとする商品(そしてそれが購入につながる)」と定義します。

こうした「ハッとする商品」のレコメンデーションについて、私が考える難しさは主に以下の2点です。

  • 計測の困難性 … 2つのタイプの購入はアプリ上でユーザー行動を見分けにくいことに加え、そのレコメンデーションが購入の意思決定に貢献したかどうかを見分けるのは実は結構難しかったりします。昨今一般的になりつつあるアトリビューション思想では「その機能(やページ)が購入にどのくらいの貢献をしているか」という判断軸で、アプリ内のすべての機能を横断的に評価しようとします。しかし、これだと例えば「概念との出会い(その商品自体は購入に繋がらなくとも、その商品を通じて購買ニーズが顕在化するケース)」についての貢献をうまく計れず、いまいちレコメンデーションは役に立っていないという結論になりかねません。そうした誤った現状把握を避ける方法を探す必要があります。
  • 安心感のある商品とハッとする商品のバランス … 普段みなさんが使うアプリ(YouTubeやSNS等)を想像してもらえると良いかもしれませんが、例えばトップ画面に並んでいるアイテムが自分の好きなもの、自分と関連の強いアイテムであるほど安心感があるかと思います。私は「このアプリを開くと自分の好きなもので溢れているはずだ」というある種の安心感が、利用者にとって重要だと考えるのですが、一方でここまで話していたようなハッとする商品のレコメンデーションも大事だと考えています。そこで、この2つのタイプのアイテムの良いバランスが重要になってくるのですが、それはサービスの特性やユーザーのコンテクスト等によって変わってくるかもしれません。このような良いバランスでレコメンドすることがもう一つの困難だと感じます。

このあたりの解決が、2023年のメインテーマになりそうです。

[その2] Search & Discovery領域のプロダクトマネジメント標準化推進

2022年はプロダクトマネジメントを学んで実践する1年でした。

その中で検索・推薦を扱う領域におけるプロダクトマネジメントについて実践経験が蓄積されたような気がします。

そこでこの経験を活かして、以下の2点を進めたいと思います。

  • プロダクトマネジメントの標準化 … 個人的には普通に開発業務したいので、PM業務を誰でもできる or PM不在でも何とかなる状況を作りたいと思ってます。そのために、今のプロダクトマネジメントを標準化してプロセスの自分への属人化を剥がしたいと思います。
  • ツールの作成 … PM業務も定常的に発生する業務や、回数は少なくともほとんどのPMが必ず行うがあります。例えば、前者でいうとKPIの確認・プロジェクト進捗状況の把握などで、後者で言うとビジョンの作成などです。ここをもっと楽に短時間でできるようなツールを開発して、社内外の様々な人が楽できるようにしたいです。例えば、KPI監視のOSS作ったり、ビジョンをまとめるための一連のワークショップを形式化したりなどです。

マインドセット・マインドセット

  • マインドセット … 変わらず、2022年と同じ感じでやっていこうと思います。特に集中を意識します。
  • スキルセット
    • 英語:引き続き英語は強化したいです。目指すレベル感としては以下のところをやっていきたいですね。
      • 会話 → 採用面接で問題なくやり取りができる(アクション:週に1回以上英会話レッスンする。)
      • ライティング → 翻訳ツール頼らずにビジネス的に一意に意味の伝わる文章を書けて、他者のドキュメントを添削できる(アクション:月に1回以上英語ブログの添削を受ける。)
    • デザイン:より多くの関係者とスムーズにコミュニケーションが取れるように、アイディアやプロトタイプの精度高い具体的なイメージが作れることを最終ゴールとしてデザインの基礎を身につけようかと思います。(スクールに通うかも… 未定…)

まとめ(2022年&2023年)

2022年やったことと、2023年の抱負をまとめてみました。

まとめは、冒頭に載せているのですが、お気持ちとしては以下のような感じです。

昨年は会社だと成果が出始めたり、ずっと挑戦してきたけれど中々解けなかった課題が新しいメンバーのおかげで解けたりと風向きが少し上めな1年だったような気もします。一方で1月から2月あたりは忙しすぎて病んでた気がするので、連絡取りづらかったりでご迷惑おかけしました。。

2023年はちゃんと人間やっていきたい気持ちがありますが、それと同時に自分の興味あること深掘りたい気持ちもあるのでちゃんと人間できるか不安でもあります。定期的に人間性チェックできる仕組みなど導入すると良いのかもしれません。。

ということで、今年もどうぞよろしくお願いします。