カテゴリー: 情報学

パターン認識と特徴ベクトル抽出

今日、パターン認識について少しかじったのですが、当初想定していたものと違ったことに驚きました。ということで当初想定していたパターン認識と実際のパターン認識の違いについてまとめておこうと思います。何事も偏見で語ってはいけず、きちんと勉強してみないといけないなと思いました。
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ミームという概念について

先日『遺伝子vsミーム(著:佐倉統)』という本を読みました。
ミームという概念について面白く解説してくれている良書でした。

さて、ミームという概念ですがあまり一般的ではないような気がしますので簡単に説明しておこうと思います。以下の文では、私の誤った解釈が含まれる可能性があることに注意してください。

ミームは生命の進化論を考える際に遺伝子との類推で考えられた概念です。例えば、生命が進化していく際、遺伝子は前の世代から次の世代へとその形を変えながら伝わっていきます。それに対応して人から人へと伝わっていく文化伝達の単位を「ミーム(meme)」といいいます。文化伝達つまり、模倣の単位です。ミームは例えば「メロディー」や「服の流行」などがそうであるといいます。
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ビブリオメトリクス入門

図書館情報学の一分野に「ビブリオメトリクス」という研究分野があるようです。
ビブリオメトリクスとは簡単に言うと書籍や書誌について、
数学的、統計学的な分析を通じて対象の一側面をとらえよう
という研究領域のようです。
(『図書館情報学の地平 50のキーワード(監修:三浦逸雄, 編集:根本彰)』
p.125 「ビブリオメトリクス 何を数えるか, 何のために数えるか(芳鐘冬樹)」より)

具体的にどのようなことをやっているのでしょうか。
上述の図書を参考にしながら、その姿に迫っていこうと思います。
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図書館情報学とは何か

諸事情により図書館情報学について学ぶことになりました。
というわけで、図書館情報学について少しまとめておこうと思います。

ざっと調べて、図書館情報学という学問領域の広さに驚きました。
とりあえず、手元の『図書館情報学辞典 第3版(日本図書館情報学会用語辞典編集委員会編)』の「図書館情報学」の項よると

図書館情報学
図書館学に情報学が付け加わった研究領域. 図書館が中心とする図書館に関わる諸現象, 具体的には, 制度, 運営, 書誌コントロール, 資料, サービス, 利用, それに施設などを加えて, 情報やメディアの性質, それらの生産から蓄積, 検索, 利用までの過程を対象とする. 実際には米国の library school が, コンピュータの利用や情報検索などをカリキュラムに取り入れ, school of library information science と名称変更した1960年代初めに起こり, 『Encyclopedia of Library and Information Science(初版 1968-2003)』や『Library & Information Science(1929- )』が刊行された1960年代末に確立したと考えられる.

などと書いてあります。
とりあえず、“図書館学”と“情報学”も同辞書で引いてみます。

図書館学
図書館という存在を問い直し, そこから図書館にかかわる諸事象を学問的に研究しようする研究領域.
(一部抜粋)

 

情報学
学術情報に代表される情報流通過程を研究対象とし, 特に情報の蓄積と流通, 利用のためのメディア, およびこれを支援する社会組織を中心に扱う研究領域.
類縁研究としてヨーロッパを中心とするインフォマティクス(Informatics)がある. 日本でいう「情報科学」(数理科学的な情報理論を中核とし, コンピュータ技術と密接にかかわる研究領域)とは異なる.
(一部抜粋)

恥ずかしいことに「情報学」と「情報科学」をごっちゃにして考えていました。
情報学が「数式を用いて(シャノンだとかの)情報理論を構築する分野」で
情報科学が「コンピュータを用いた工学的な分野」だと思っていました。
しかし、どちらも情報科学の領域であるようですね。

とりあえず分かりにくいので、「図書館情報学」について図にまとめてしまいましょう。

研究領域の図

研究領域の図

ざっとまとめるとこんな感じでしょうか?
とりあえず、どのようなことをやっているのかということは分かりました。
個人的に解釈すると

図書館情報学
図書館・情報を取り巻く要素、またはそれらの関係を様々なアプローチで考える学問

といった感じでしょうか?なんでもありな感じになってしまいました。
上述の個人的解釈に関してはぜひ、図書館情報学を専門で勉強しているかたの
突っ込みをいただきたいです。
時間を見つけてさらに深い勉強をしていこうと思います。

人類の進化論について

今、伊藤計劃の『虐殺器官』を読んでいます。
主人公がチェコ語の教師(昔言語学を学んでいた)と以下のように会話するシーンがあります。

「ことばは、人間が生存適応の過程で獲得した進化の産物よ。人間という種の進化は、個体が生存のために、他の存在と自らを比較してシュミレートする―つまり、予測する、という行為を可能にしたの。情報を個体間で比較するために、自分と他人、つまり自我というものが発生した。そもそも『自分』がなければ『他人』もないし、そんな自他の区別がなければ『比較』もできないでしょ。そうすることで、人間はいろいろな危険を避けられるようになり、やがてそれぞれの個体が『予測』した情報を個体間で交換するために、ことばは発生し、進化したの。自分が体験していない情報のデータベースを構築して、より生存適応性を高めるために」
「ことばは、純粋に生存適応の産物だ、ということですね」
「ほかの器官がいまあるのと変わらないような、ね」

この文書は人間の進化論に関する面白い考察です。
図にまとめると以下のような感じでしょうか?

ことばと人間

ことばと人間

他人はあくまでも生存のための『データベース』に過ぎず、
そして『ことば』は他人(データベース)からデータを問い合わせるための器官である
ような事をほのめかす文章です。

実際の進化論、言語学等の研究でこのような認識が持たれているのかは分かりませんが
この考えは今後のWeb環境の発展にも大きくかかわってくるのではないでしょうか。
例えば、ハイパーテキストリンクも人間の思考を真似た文章構造です。
これは『人間の活動をモデル化』し、『電子の世界に落とし込む』という試みです。
このように『自己』と『他人』の関わり合いの形から、新たなネットワーク構造を生み出す
ような研究はあっても良い気がします。(すでにありそうですが。)
ここで重要なのはコミュニケーションの形からそのために最適なネットワーク構造
を考えることではなく、人間のコミュニケーションの形を真似てネットワーク構造を
つくり出していくということです。(ますます、そんな研究ありそう。)

また、現在のWeb構造を人間のコミュニケーションのモデルにあてはめるというのも
なかなか面白そうです。
上述の、「データベース問い合わせ」を「他人との情報交換」にあてはめるといったモデル
などがその例です。

今まで言語学といえばソシュールウィトゲンシュタインのものしか知らず、
また、あまり興味もなかったのですが、このような進化論やネットワーク構成
などの視点とからめて見ると大変面白いものになりそうです。

機会を見つけて言語学も勉強してみようと思います。